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タキ王国との第3ラウンド~タキとのタイマン~ 新宿スワン16 あらすじと感想  [コミック]


◆◆新宿スワン16~タキとのタイマン~ あらすじ◆◆


タキを呼び出したのは関でした。

地上から何十メートルもある倉庫の屋上です。


タキと関は幼なじみでした。
10年前に二人はいつかでっかいことをやろうと約束した仲だったんです。


バーストが先に手を出したといっても、そこまでバーストに拘るのは関がいたからです。

タキは関をウィザードに迎えたかったから。


あからさまにそのことを関に指摘されタキは、今まで自分が何もないところから王国を
作りあるまでどれだけ身を削ってきたか、全ては二人で交わした約束の為だと言います。


二人のにらみ合いにビビッてるタツヒコに、関が声を掛けます。

「タチュヒコ こいつとタイマンはれや」


関は、拳だけでタキがタツヒコに勝ったら全てタキの言う通りにしてやると言います。

その代わり、タキが負けたら新宿から手を引けという条件です。



タキは条件をのみます。


取っ組み合いの戦いの中、タキはタツヒコに自分のことを話して聞かせます。

宝来会の田坂には会うたびにぼこぼこにされ、ケーサツの砂子には金をむしり取られ、
自分に残された道はヤクザになるか死ぬしかないと。


タツヒコはタキにヤクザのやっていることと同じじゃないか、死ぬことになってもそれは
自分の巻いた種だと、そして、何で洋介を殺したんだと詰め寄ります。


上着を脱ぎ捨て背中の入れ墨を露わしたタキは「何を言ってもお前にはわからねーよ」と
言って、決着をつけようと闘う意思を見せます。


タキに向かって行くタツヒコ。

その瞬間タキは闘うのを止めてタツヒコに殴られるまま、その場であおむけに倒れます。


金・暴力・薬すべてひっくるめて今の自分がいる。おれの歩んできた道だ、
今更ひきかえせねえだろ?と煙草を吸いながらタキは話します。



タツヒコはタキの中にヒデヨシを見ました。

洋介もタキと一緒にいることで、タキの中のヒデヨシを見ていたのだと悟ります。



「地べた這いつくばって見る月も悪くなかったよ」とタキが月を指さしたとき、関もタツヒコも
夜空に明るく輝く満月を見え上げます。


タツヒコと関が視線をタキに戻したとき、そこにはタキの姿がありませんでした。


関とタツヒコが月を見上げている間にタキは無言で飛び降りて地面に叩きつけられていたのです。





◆◆新宿スワン16~タキとのタイマン~ 感想◆◆


泣けました。

タキの生き方めちゃめちゃカッコいいです。

カッコいいというよりも、みじめで辛い道だったのでしょうが、それを周りには一切感じさせず
自分の中だけで処理してきた潔さがカッコいいですね。


幼なじみと交わした約束の為に一人自分の身を削って自分の王国を作り上げてきた男らしさ。


洋介を殺したのも、利用され続けてきて空っぽの人形のようになってしまった洋介を解放して
やりたかった優しさから。

そして屋上から飛び降りたのも、今まで自分がやってきたことを終わりにしようとした潔さ。

金・暴力・女とけして褒められるような生き方ではありませんが、人間としての魅力は心を
掴むだけのものを持っていますね。



約束を交わした幼なじみの関に呼び出されて、自分がしてきた苦労を思い返すうちに今の自分
が恥ずかしくなった?終わりにしたくなったのかも知れません。


何故、タキがここで自ら死を選んだか全ては分かりませんが、もう自分で自分を解放させて
やりたかったのかも知れません。


久しぶりに涙が止まらくなったエンディングでした。



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